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題名:あそこも、あそこも
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1842の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 僕とキーコさんの会話をしり目に、ツキオは相変わらずじーっと凝視して穴が開くんじゃないかというぐらいにキーコさんをガン見していた。いや、凝視よりも、透視か。もしかして心の目で、透かして、すかして、みてんじゃねえーのか。キーコさんの、あそこも、あそこも…。
 そう想像しながら、僕も若干ほっぺが真っ赤になった。確かにキーコさんは、魅力的な女性だった。ましてや恋人として特別な関係にあるツキオなら、凝脂な肌を持っているキーコさんなら、その彼の凝視は、GYAO! したくなるに違いない。だって、それは無料だから。ヤフーの無料動画サービスだから。
 甘い言葉。無料。無料。諸行無料の響きあり。
 その裏には、何かが、潜んでいる。
 もしかして、Moon Town自警団の団員でありながら、ツキオにはかなりの変態性が潜んでいるのかもしれない。どう見たって、キーコさんを見ているまなざしは、変態そのものだ。

 ばしーん。

キーコ:「だから、ダメよ、ツキオくん。まだ、まだ、お預け…。ここ、覗いちゃ、ダメなの」
ツキオ:「そんなこと言わんどいてーな、キーコちゃん、わいは、我慢でけへんのや。もう、我慢でけへんのや」
キーコ:「ほんとに…。何度言えばわかるのかしら…、ねっ」

 キーコさんは僕の方に振り返り、同意を求め、微笑んだ。とてもチャーミングな笑顔だった。が、その笑顔で気づいた。僕もキーコさんのことを好きになりかけている。いや、もうきっと好きなんだろう。

キーコさん:「それではノブヨシさま。これから第3ドーム内を案内させていただきますね」

 そう言いながら、キーコさんはミニスカートのすそをくねくねと直していた。うひょー、ツキオがはしゃいでいる。でも、ツキオのその行動に応じるかように、僕もうひょーな胸の鼓動の高鳴りを感じた。通常の走行から、ワープ走行へと移り変わる。そんな高鳴り。高鳴る胸は、どきんどきんとして、キーコさんの虜。とりころーる。「青の愛」「白の愛」「赤の愛」の三色愛から構成されるフランス映画三部作。クシシュトフ・キェシロフスキ。ジュリエット・ビノシュ。美の主。美しき主(あるじ)。あるまじき行為…してる、ツキオが…。
 
 ばしーん。
 
ぶたれた。ぶーたれるツキオ。
(もちろん。やっぱり。予想通りの展開だったな…)



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