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題名:魔法の瓶の種明かし
報告者:トシ

 魔法は実に魅力的である。人を意のままに操れる上に、妖怪・モンスターもやっつけることができる。逆に言えば、人を悪の意のままに操り、妖怪・モンスターを仲間にすることもできる。また、それを扱うことができる者を魔法使いと呼ぶ。一方で、同じような用語として魔術がある。魔法は魔の方法であるのに対して、魔術は魔の技術となる。こちらを扱うことができる者は魔術師となる。ちなみに、いつまでも保温の効く瓶は、魔法瓶となる。魔術瓶とはならない。その魔の方法は、図にあるように、内層と外層との間の空間が真空になった二重構造によって達成される。真空が魔の力の一つとなるのである。この魔の力によって温度を下げないという術が生じる。この魔をもつ瓶を製造する主な会社には、象印マホービン株式会社2)とタイガー魔法瓶株式会社3)の2社が挙げられるが、象、虎の違いはあっても、どちらも本社が大阪にあり、1918年の創業も同じである2), 3)。このことから、日本において魔法を施す瓶が誕生したのは、1918年大阪にて、となる。そのため、起源からすれば、魔法瓶を選ぶ際には象印であっても、虎印(タイガー:とら~ずなど)であっても、あとは好みの問題となるのかもしれな

図 魔法の瓶の内部構造1)

い。ただし、どちらの会社も魔法の瓶を生みだす技術があり、そういう意味では、魔術会社でもある。
 そこで、本報告書では魔術会社が持つ魔法の瓶の種明かしに迫りたい。
 熱の伝わり方には一般的に3種類あり、それが伝導、対流、放射である4)。真空とは「何もない空っぽの空間」を指すが、普通の空気中の一辺1cmの立方体の中に含まれる窒素や酸素の分子の数は2.5×1019個を超え、1気圧760mmhgとなる5)。普通の真空ポンプによる真空は、分子の数は1013個、10-3mmHgとなる5)。地球上で作ることのできる最高の真空度は、このさらに1~2桁下ぐらいの10-11~10-12mmHgまでとなり、宇宙空間になるとさらに1桁下となり、一辺1cmの立方体あたりの分子数は数千個レベルで、10-13mmHgまでになる5)。ステンレス製の魔法の瓶は、10-3Pa(7.5-6mmHg)の高真空で、地上高度90〜250km相当の真空度となる6)。この真空がもたらす分子の少なさが、分子による熱の伝導を限りなくゼロに近づけ、対流も起こさないようにしている。これが真空による魔の力の一つとなる。ただし、熱はエネルギーであり、真空であるはずの宇宙空間でも太陽から地球への熱は電磁放射によってもたらされる。これと同様に、真空の魔法の瓶でも放射は防ぐことが難しい。そのため、魔法の瓶では、内面に鏡面加工を施し、真空層に銅箔を挟み込むなどをして熱放射を反射させて熱エネルギーを内部に保つようにしている6)。これらの相乗効果が、魔術会社が産み出す、魔法の瓶の魔法たる所以となる。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/魔法瓶 (閲覧2017.6.15)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/象印マホービン (閲覧2017.6.15)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/タイガー魔法瓶 (閲覧2017.6.15)
4) http://www.astronomy.orino.net/site/kataru/qa/003.html (閲覧2017.6.15)
5) http://hr-inoue.net/zscience/topics/vacuum/vacuum.html (閲覧2017.6.15)
6) https://www.tiger.jp/b2b/about_dannetsu.html (閲覧2017.6.15)



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