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題名:おもちゃのヒヨコ
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.1953の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 ぽとんと水晶玉が目の前に出された。さらにぽとん。さらにぽとん。合計3個のほとんど水晶玉だった。いや、ほとんどというより全てだ。ぽとんとほとんど。
 よく見ると微妙にそれらの水晶玉の輝き方が異なっていた。一個はほんのりと青色、次の一個はほんのりと黄色、そして最後の一個はほんのりと赤色だった。
「さあ、占うわよ。水晶玉をよく見て」
 僕はじっとその3つの水晶玉を見ていた。
「ふふん、なるほどね。そういうことなのね」
 占い師の彼女は、ひとりそうつぶやいた。
「思った通り。あなた、相当のごへんかんの災難に見舞われてるわね」
「ごへんかんのさいなん…」
「オーケー、じゃあ、説明するわね。この青いのが今から未来の進むべき道、この黄いのが今の道、そしてこの赤いのが未来の災難の道を示している。そして、よく見て、この黄いの」
 じっと、黄いのを見た。
「ヒヨコが見えるでしょ。それあなたが創ったヒヨコよ。そうね、仮にOちゃんと名づけときましょうか。これがごへんかんの災難のもと。そして、このOちゃんへのあなたの出方で、青か、赤になる。次は赤を見てごらんなさい」
 (Oちゃん….)、そして赤を見た。そこには紐でぶら下げられている人形のようなものが見えた。その人形の首から紐が上に伸びていた。なんだか不吉な感じのする雰囲気が漂っていた。チカチカと赤いランプも光っていて、まるでパトカーのようなサイレンの音もそこから聞こえてくるようだった。
「これは一体?」
「まっ、そういうことね。じゃ、次に青いの見て」
 青いのを見た。二匹のうごめく蛇が見えた。仲の良い蛇だった。でも、僕の知識からすると、その二匹ともメスだった。それを確認して、彼女(占い師)に振り向くと、彼女は待ってましたとばかりに啖呵(英語表記では、TANKA)を切った。
「水蜜桃の汁吸うごとく愛されて前世も我は女と思う…」(トリアングル)
「へっ?」
「さあ、わかったでしょ。だから、売らないわけではなく、これを売るの。だから、はい。このおもちゃのヒヨコ、Oちゃ~ん、一万円ね♡」
 彼女はそのおもちゃのヒヨコを僕の前に差し出し、そのお腹をつぶした。ヒヨコの腹がプピーと鳴った。
「そんなもの、いりません」
「なにー! いらないってか。今、占ったでしょ。あなたのことを…。占いはただでも、これは買いなさい。そうでないと、あなたにはごへんかん以上の災難が降りかかるわよ。さあ、一万円だしなさい! 早く一万円だしな!」



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