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題名:果物の酸化にみる人間の本質
報告者:エゲンスキー

 果物は食べる時期を逃すと、非常に変色しやすい。その代表としてバナナがあるが、バナナは食べずに放っておくと外側は黄色からやがて茶色に変色し、その後に黒く変色する。内側もそれに伴い熟し、外側が黒色となってからは、ほとんど食べることができない。このバナナの他にも、外側の変色は著しくはなくとも、皮を剥いでしばらくすると変色する果物に、リンゴ、モモなどがある。これらも皮を剥いで数分の内に茶色く変色し始める。なぜ、果物はこのような変色が進み易いのであろうか。
 リンゴの茶色くなる原因に関しては、文献1)にあるように科学的に説明されている。それは、果物の自己破壊に基づく酸化に由来する。傷ついた食物組織から、酸素に鉄分が触れ、さらにポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる微量の酵素によって、その化学変化が促進させられる。そして、結果的に酸素が他の原子や化学物質と結合することで、リンゴを切った後の茶色の素となるメラニンが生成される。
 一方、人間でもこれと同じような現象がある。苦境にさらされ、自己破壊が起きると、あくの社会に参加する。そして、傷ついた精神にあくの誘いが触れ、さらにそこで構成されるわずかな人々によって、それが促進する。結果的にあくの組織と結合することで、腹黒くなる。果物の変色も早いが、人間が腹黒くなるのも早い。
酸素は化学界では有名な寂しがりやとされるが1)、人間の精神の本質も寂しがりやである。あくの社会も、寂しがりやへの開くの社会として、いつでも門戸が開いている。門戸(もんこ)は読み方を変えるとモンドとも読めるが、モンドは、mondeで、フランス語では世間、社会との意味があり2)、まさにモンドmonde(開くの社会)に至る。ヒトはどのような形であっても、承認欲求からは免れることが出来ないのも(報告書のNo.650も参照)、モンドmondeの中でしか生きられない人間の特徴でもある。
 リンゴの変色を防ぐには、文献3)にあるように、レモン水、パセリ水、真水、ハチミツ水とあった場合、ハチミツ水が最もよく1番良く、パセリ水が2番となる3)。では、ハチミツ水の効果と同じく、人間でも変色を防ぐ方法はあるのであろうか。
 一般的にあくの社会のモンドmondeに関連が深いのは、ハマることになるであろう。適切なハマるはよいが、不適切なハマるが、問題となる。アメリカのワシントン大学の精神科医であるC. Robert Cloninger博士によれば、ハマる行動を解くカギの一助として、クロニンジャーの性格理論を打ち立てた4)。それによると、性格の生物的な素因として「気質」があり、環境の影響を受ける因子に「特徴」があり、「気質」の背景には神経伝達物質の機能があるという。しかしながら、まだ因子の妥当性や整合性が十分に検討されていない4)。ヒトのハチミツ水に相当する何かは、今後の研究に期待するしか今はない、ようである。

図 クロニンジャーの性格理論4)

1) https://www.lifehacker.jp/2014/07/140727apple.html (閲覧2017.12.26)
2) https://eow.alc.co.jp/search?q=monde (閲覧2017.12.26)
3) https://www.lifehacker.jp/2015/07/150730_keep_fruit.html (閲覧2017.12.26)
4) 廣中直行: 人はなぜハマるのか. 岩波書店. 2001.



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