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題名:何かを失った彷徨える蜂のようだった。
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1922の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 お風呂でどれくらい眠っていたのだろうか、時間感覚が全くなかった。これがもし家庭外での温泉の状態だとしたら、間違いなく僕はこう指摘されるだろう。「食事の直前、直後及び飲酒後の入浴は避けること。酩酊状態での入浴は特に避けること。」1)。時間感覚が全くなかったということは、僕は、相当に酩酊状態だったに違いない。そんな時は、例え、ここに記述した内容がかつてないうんこ文章であっても、この事実に僕自身、先と同じように注意書きをしなければなるまい。
 「かつて、このような状態の時、よっこらしょと湯船から上がろうとしたその瞬間、つるりと湯底で足からお尻へと湯が滑り、後頭部から再ダイビング。そして、足が宙に浮き、頭が沈んだ状態で溺れかけた」、ということを。「やめなはれ、あんさん。まるでfigma 犬神家の一族の付録やないかい」。「そうですよ、まさにそうですよ」。「すけきよ、やめなはれ」。
 それは、ともかく、ぼんやりとしながら、それでも目の前に見えるクミちゃんとヒヨコはくっきりと瞼に浮かんでいた。浮かんでいたというよりも、そこにすけきよのマスクから覗くが如く、確実に二人、正確には一人と一匹だが、を捉えていた。
 クミちゃんはそのヒヨコの頭をなでなでしながら、にっこり微笑んでいた。それは、僕にだけ見せたあの笑顔だった。その時、クミちゃんとそのヒヨコの前に、突如、無表情のニワトリが現れ、行進し始めた。その更新を見つけると、ヒヨコはまるで自身をアップデートするかのように、
 どかどかどか…、きょぇー、パリ――ン…
 どかどかどか…、きょぇー、パリ――ン…
 どかどかどか…、きょぇー、パリ――ン…
と自信に満ち溢れながら、ブリキの太鼓を叩き、叫んでいた。ヒヨコは、クミちゃんに褒められれば褒められるほど、まるでその状態をより亢進するかの如く、次々とニワトリの頭をシュレッダーしていた。その勢いは、ホッチキスに留まらず、CDやDVDも裁断できるような仕様だった。
 NEWシュレッダー。新たなる裁断機。

 「ねぇ、随分とお風呂長いけど、大丈夫?」、シズコが心配そうに風呂を覗きに来た。
 その後の話では、やっぱり僕はさかさまになっていたらしかった。ふくろもさかさまでふろくとなり、まさにすけきよがチーン状態だった。いやまてよ。チーンチーン…こ・こ・ここでその時に湖に沈んでいたのは、果たしてすけきよだったのか? 本当にふくろがふろくとなったのか…。次々と疑問が起こった。
 調べによれば、グーグルマップの青木湖には、「スケキヨ・アップサイド・ダウンフット・ポイント」なるものがあることの情報も得た2)。でも、残念なことに、現在はグーグルマップにそのポイントが蜜からなかった…。それは、まるで何かを失った彷徨える蜂のようだった。

1) https://www.spa.or.jp/onsen/1632/ (閲覧2020.12.23)
2) https://dorama-netabare.com/archives/48300 (閲覧2020.12.23)



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