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題名:人生の後悔(航海)に対する重要な見解
報告者:ダレナン

 人生はある意味、後悔の連続である。あの時ああしていれば、という仮定は頭の中では進行しても、時間は決して元に戻ることはない。そのため、その様な仮定は、生きている間はできるだけしないほうがよいことも物理的な観点から考えて明らかである。しかしながら、往々にして人生は後悔が残りやすい。
 死の直前に人がとる3つの行動として、報告書のNo.626にも記載されているように、①許しを請うという願望、②記憶への願望、③自分の人生に意味があったのだと知りたい願望、がある。そのいずれもが、自分の過去の行動への悔いと、今までの自分を信じたい、ということに要約されようか。さらに、自己を信じられるかどうかは、それまでの自分の行動が他者へ及ぼした影響としても意味づけられるため、それが不十分であるという自己の認識があれば、結局は、己の中の、後悔のみが残って、この世を去るという結果に至る。
 後悔の心理を研究したアメリカのコーネル大学のThomas Gilovich博士1)によれば、人々が自分の人生を振り返って最も後悔することを調査した結果、回答の75%は、自分がしなかったことに対する後悔であり、その中でも上位三項目が、①学校でまじめに勉強しなかったこと、②だいじなチャンスをものにしなかったこと、③友人や家族を大事にしなかったことであった。それに対して何かをしたことによる後悔はわずか25%であった2)。しかしながら、この75%と25%には大きな隔たりがあり、イギリスのハートフォード大学のRichard Wiseman博士2)によれば、したことに対する後悔は限定的であるが、起きなかったことに対する後悔は、可能性を失った後悔であることを指摘し、いわば質が異なる。さらに、この状態をアメリカの詩人John Greenleaf Whittier(ジョン・グリーンリーフ・ウィッティアー)の詩「For of all sad words of tongue or pen,The saddest are these:’It might have been!’ (すべての悲しい言葉の中で、最も悲しい言葉は、『あのとき、ああしていたら』という言葉)であることも述べている2)。まさに、その通りである。
 一方、後悔と読みが同じである漢字で、航海があるが、その航海といえば、Cristoforo Colombo(クリストファー・コロンブス)3)がやはり真っ先に浮かぶ。コロンブスは1400年代後半に活躍したイタリア生まれの探検家であり、アメリカという新大陸を発見した人物とされている4)。一方、その大航海時代における非人道的弾圧はコロンブスにもあったものの4)、コロンブスの卵という逸話(卵を立てることを試みさせ、一人もできなかった後に卵の尻をつぶして立てて見せた5))が残っていることからも理解できるように、その人生に、航海はあっても、後悔はなかったであろう。コロンブスが乗った「木製帆船模型 1/50 サンタマリア」(図)を眺めながら、人生を後悔しないように航海せねば、と誓わずにはいられない。

図 サンタマリア6)

1) Gilovich, T and Medvec, VH: The Experience of Regret: What, When, and Why. Psychological Review 102: 379-395, 1995.
2) Wiseman, R: その科学が成功を決める. 文芸春秋. 2010.
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/クリストファー・コロンブス (閲覧2018.2.23)
4) http://www.gibe-on.info/entry/christopher-columbus/ (閲覧2018.2.23)
5) https://kotobank.jp/word/コロンブスの卵-505691 (閲覧2018.2.23)
6) https://item.rakuten.co.jp/lamd/10083953/ (閲覧2018.2.23)



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